東日本大震災に想う

東日本大震災に想う

政官業の癒着体制下で作られた原発が、今国民を奈落のどん底に陥れている。

我が国を戦後これ程震撼せしめた有事はない。にも拘わらず政府は、非常事態宣言にも匹敵する東日本大震災の惨状に右往左往、又政府に専門的助言を行う原子力安全委員会が、防災基本計画によってとるべき手順を踏んでなかったという初動の機能不全の失態は、以後原発の次から次へと発生する放射性物質の拡散汚染につながり、被害を大きくしている。

テレビの映像で見る限り被害は甚大で、人、家屋、車等、津波は容赦なく一気に飲み込む様は魔物そのものである。今回、最も危険であるのは、福島原発が被害にあったことだろう。人の眼に見えないやっかいな放射線だ。今から六十五年前、我が国は原子爆弾2発により広島、長崎の住民三十二万五千人を一瞬のうちに葬られた被爆国である。原子放射線の洗礼を受けた日本人は、その恐ろしさを充分すぎるほど知っているはずなのに、国策として進められる原発は安全であるという呪縛にかかった国民は安易に許容し、リスクを考えず、お上の言うことにしたがった。

それが今、前代未聞の大震災により、福島第一原発の被害で半径三十キロ以内の住民十三万人は厳しい避難生活を送っている。その補償は東京電力は勿論のこと国が責任をもって補償しなければならないだろう。

七十一年のスリーマイル事故、八十六年のチェルノブイリ事故、そして今回の福島原発だ。万物の霊長である人間は快適な暮らしを求め、科学の粋を極め、今では宇宙での滞在も可能になり、一方地球上では文明の利器を利用しての争いは絶えず、二酸化炭素による温暖化で地球の破壊が既に始まっている。

福島第一原発は廃棄以外考えられない。その廃炉にしても燃料の放射線漏れを完全に封じ込まなくてはならないのみならず、その廃棄場所が地球上にないことだ。そんな末恐ろしい物質を使い発電している原発。これを機に人類英知を結集し早急に別な方法での開発を願いたいものである。電力が足らないのなら国民一人ひとりが節電に協力すること。

戦後のことを思うと復興は必ずできると確信している。政府は四兆円かかると言う。それも政治家及び官僚が率先して国民に範を示すべきが先決である。国会議員が多すぎはしないか、又官僚の無駄遣いが多い。国民も錯覚した平和から目覚めよ栄耀栄華に明け暮れる現在の生活態度をあらため、日本人が一丸となってあたれぱ良い。政府は今回の災害を緊急事態と言うが、私は非常事態と思っている。

菅総理が何回も野党に対し内閣に入ってこの難局に協力してくれないかと要望していたが。谷垣氏は拒絶していた。この非常時に国会議員たる者何のための議員か不思議でならない。口を開けば国民のためと言うが自分のためにこそ議員になったのだろう。全く情けない役にたたない議員を何故、国民にも責任がある。幻想の民主主義を捨て、非常時に役にたつ、赤心の議員を熱望する。

今回の災害は北米プレートの5メートル上がったための自然災害であるが、我欲化した人間に反省を求めたものでもあると思われる。この非常事態を乗り越えるためには国民一丸となって真心を捧げ国の復興と安全、又社会公共のために貢献することこそ大切である。大津波の猛威に吞まれ亡くなられた二万七千六百人の方々(内特に児童生徒五百三十六人の命)に対し謹んでご冥福をお祈り申し上げますと共にご遺族に対しても心よりお悔やみ申します。又避難を余儀なくされている十五万人の方々に対してお見舞い申し上げます。

そして一日も早く復興をされますことを祈念いたします。

平成二十三年四月二十日
大分予科練資料館館長 川野喜一




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